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「憑依」の異聞

このキーワードを含む記録が11篇あります。

135

アフリカ・オセアニア

マダガスカル北西部、港町マハジャンガの中学校

伝わるもの

二〇二六年四月、マダガスカルの港町マハジャンガ。中学校の朝礼で、十四歳の少女ファラが叫んで倒れ、それを合図にしたように、少女たちが次々に泣き崩れていく。人々はそれを「アンバラヴェロナ」と呼んだ。フランス語教師ミレイユは、祖母の記憶と、看護師の姉の言葉のあいだで、少女たちのそばに立つ。

マダガスカル憑依民間信仰

読了 27分

115

中国

マカオ・コロアネ島と台湾・新北市

赤口の島

旧正月のマカオ。父を亡くして一年、母と姉妹三人で訪れたコロアネ島の路地で、妹は名もない祠の暗がりへ吸い寄せられた。姉がその手首を引き戻した日から、家族の耳には、誰も口にしていない言葉が届きはじめる。

読了 26分

111

南北アメリカ

ブラジル・サンパウロ州の内陸の町

白いハーブの煙

二〇一五年、不況の影が落ちるサンパウロ州内陸の町。平屋の借家で、ある夜、母親が別人の声で話し始めた。ウンバンダの霊媒たちが部屋ごとに行った静かな清めと、裏庭の赤土の下から掘り出された包み。

読了 21分

081

アジア

タイ・ナコーンシータンマラート県

血を継ぐ者が、帰ってきたのかい

職を失いバンコクから叔父の村へ流れ着いた青年が、深夜のゴム園で祖母の血筋に連なるノラーの祖霊たちと出会う。逃げることも祓うこともできない相手に、青年は最高位の合掌と、途絶えていた儀礼を執り行う約束を捧げる。

読了 28分

049

アジア

フィリピン・ルソン島バギオ市ドミニカン・ヒル

肩の上の鉛

避暑地バギオの丘に廃墟として佇む旧ディプロマット・ホテル。有刺鉄線を越えて忍び込んだ大学生マークの両肩に、原因不明の鉛のような重みが圧し掛かる。庭のバレテの木の根元で見つかった凍りついた携帯電話、そして脱出の間際、警備員の懐中電灯が照らし出した「肩から飛び降りる首のない影」——十数年経った今も、マークの右肩は雨の夜に疼き続ける。

読了 20分

048

アジア

マレーシア・ゲンティン・ハイランド(雲頂高原)

緑符の呪縛

大学の休みを利用してゲンティン・ハイランドへ登った四人の学生は、格安の廃墟同然のコンドミニアム「アンバーコート」に一夜の宿を取る。絨毯の裏に隠されていた緑色の三角符を踏み抜いた瞬間から、天井の麻雀牌の音、封鎖された十五階、そしてバルコニーの外に立つ友人の姿が、彼らを引きずり込んでいく。

読了 22分

044

中国

中国・黒竜江省、陝西省終南山

縁分、尽きたり

出馬仙の家系に生まれながら迷信を憎み、実家を飛び出した陸偉。祖父の初七日に水鉢の箸を掴んだ瞬間、彼の理性は根底から覆される。恋人の憑依、伯母が説く「人間へ転生する権利」を巡る教理を経て、彼は終南山に隠棲し、一頭の黒猫とともに前世の因果と向き合うことになる。

読了 24分

034

アジア

ベトナム北部・紅河デルタ(ハイズオン省)

消えぬ線香と、還らぬ背骨

高速道路建設の補償金目当てに祖先の改葬を急いだ一族。運搬中に破損した骨箱から、後妻の腰椎が一片だけ泥の中へ消えた。一週間後、伯父の腰を襲った原因不明の激痛は、憑依儀礼アプ・ヴォンで死者自身の声によって明かされる。

読了 27分