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「廃墟・廃村」の異聞

このキーワードを含む記録が6篇あります。

071

ヨーロッパ

ポーランド南東部、ビェシュチャディ山地

サン川の消えた谷

廃村の地形スキャン調査に入った写真測量技師マテウシュは、サーマルカメラに映った無数の人型の熱源に気づく。ドローンを回収に向かった鐘楼の跡で彼を待っていたのは、一九四七年の強制移住の夜を今も繰り返す、村人たちの残留思念だった。

読了 29分

067

ヨーロッパ

スペイン・カスティーリャ地方、グアダラハラ県境の内陸台地

敷居の上の住民たち

高速道路の事故で内陸の旧道へ迂回したセルヒオは、深い霧の底で名もない廃村に迷い込む。広場を囲む家々の敷居の上には、身じろぎ一つしない人影が立ち並んでいた。逃げ出した先のバックミラーに映っていたのは、退路を塞ぐように配置された、彼らの群れだった。

読了 26分

050

ヨーロッパ

ポーランド・ウッチ市ピョートルコフスカ通り

タンスの向こうの呼吸

織物産業で栄えたウッチの古いカミエニツァに間借りした学生カミルの部屋には、巨大なオーク材のタンスで塞がれた扉があった。真夜中に響く杖の音と爪で引っ掻く音、そして隣の階段室に存在しないはずのその部屋。バールでこじ開けた先には、一九四二年冬から時を止めた、あまりに重い沈黙が眠っていた。

読了 18分

049

アジア

フィリピン・ルソン島バギオ市ドミニカン・ヒル

肩の上の鉛

避暑地バギオの丘に廃墟として佇む旧ディプロマット・ホテル。有刺鉄線を越えて忍び込んだ大学生マークの両肩に、原因不明の鉛のような重みが圧し掛かる。庭のバレテの木の根元で見つかった凍りついた携帯電話、そして脱出の間際、警備員の懐中電灯が照らし出した「肩から飛び降りる首のない影」——十数年経った今も、マークの右肩は雨の夜に疼き続ける。

読了 20分

048

アジア

マレーシア・ゲンティン・ハイランド(雲頂高原)

緑符の呪縛

大学の休みを利用してゲンティン・ハイランドへ登った四人の学生は、格安の廃墟同然のコンドミニアム「アンバーコート」に一夜の宿を取る。絨毯の裏に隠されていた緑色の三角符を踏み抜いた瞬間から、天井の麻雀牌の音、封鎖された十五階、そしてバルコニーの外に立つ友人の姿が、彼らを引きずり込んでいく。

読了 22分

043

中国

中国・河南省焦作市沁陽市、太行山脈南麓

人へと戻る日

北京からラサを目指す自転車旅の途中、私たちは太行山麓の無人村で門楣に刻まれた無数の傷跡を見た。友人の老厳だけが血相を変えて引き返せと叫んだその夜、村の伝承——三十七代の狐の眷属を焼き殺した悪漢と、封じられた村の呪い——を聞かされる。翌日、狐仙洞の奥で老厳が手にした一本の沈香の彫刻が、十数年後の彼の運命を決定づけることになる。

読了 28分