134

モロッコ北部、タウナート地方の山あいの村
「火を使っていないのに」
二〇一二年の冬の終わり、モロッコ北部タウナート地方の山村で、家の中の物がひとりでに燃えはじめた。町の診療所で働く看護師サミラは、ひとり暮らしの母に呼ばれて村へ戻る。配線を調べ、火の始末を確かめ、見張りを立てても、火はどこからか出た。
読了 24分
TAGS / タグ
このキーワードを含む記録が8篇あります。
134

モロッコ北部、タウナート地方の山あいの村
二〇一二年の冬の終わり、モロッコ北部タウナート地方の山村で、家の中の物がひとりでに燃えはじめた。町の診療所で働く看護師サミラは、ひとり暮らしの母に呼ばれて村へ戻る。配線を調べ、火の始末を確かめ、見張りを立てても、火はどこからか出た。
読了 24分
133

カナダ・ヌナブト準州、イグルーリク北西のフューリー・アンド・ヘクラ海峡
二〇一六年の夏、カナダ北極圏イグルーリクの狩り場から、クジラもアザラシも姿を消した。年老いたハンターのイサクが孫娘とボートのエンジンを止めると、船底を通って、海の底から聞いたことのない音が伝わってくる。
読了 21分
132

南極・南オークニー諸島ローリー島、オルカダス基地
南極でいちばん古いアルゼンチンのオルカダス基地。一九六一年の冬、越冬隊員十人全員が、凍りついたスコシア湾の上を、船のように揺れながら進む赤い光を見た。隊長はそれを日誌に書き残した。半世紀後、同じ基地で冬を越すことになった気象観測員が、最後の生き残りの老人を訪ねる。
読了 21分
120

チリ・サンティアゴ市内の空軍施設
二〇一二年九月、サンティアゴ。患者を看取った夜明け前、救急車の給油に立ち寄った空軍施設の中庭の真上に、音のない五つの光が降りてきて、三角形を作り、円を描いて消えた。誰にも信じてもらえないまま三年がたったある日、職員食堂のテレビが、国の委員会の結論を伝えた。
読了 25分
119

イラン・テヘラン北部、シェミラン地区
一九七六年九月、テヘラン北部シェミラン。屋上に寝床を出した家族の頭上に、色を変えながら動かない光が浮かんでいた。父は空港に電話をかけ、夜半には戦闘機が二度、その光へ向かって飛んだ。革命と戦争を越え、三十年後、彼女はあの夜の「裏側」を知る。
読了 20分
092

ブラジル・リオデジャネイロ州ニテロイ
丘で亡くなった二人の技術者が残した、水の瓶と鉛の仮面。事件の資料を読む沙織は、謎めいたメモと日常の修理伝票を結ぶ、一つの鑑定に辿り着く。
読了 24分
062

ブラジル・ミナスジェライス州ベロオリゾンテ、サグラダ・ファミリア地区
一九六三年八月、ブラジル・ベロオリゾンテ。夕食後、三人の少年が裏庭でコーヒーの濾し器を洗おうとしたとき、アボカドの木の上に透明な球体が浮かんでいることに気づく。内部には四人の乗員が座り、その一人が二筋の光の間を降りてきた。赤い皮膚と一つだけの目を持つ訪問者は、少年たちへ敵意を示さず、眠りと月を表すような身振りを繰り返す。去り際、少年の問いを理解したかのように頷いた彼が約束したのは、再訪だったのだろうか。
読了 20分
039

中国・新疆ウイグル自治区(葉城・若羌周辺)
新疆南部で長距離輸送を続けた元運転手「禿子」は、一九九〇年代半ばのある午後、地図にもない荒野で一人の老人を拾う。距離計は進まず、日は沈まず、老人の口にする言葉はどこかずれていた。十年後、禿子はインターネットの記事でその顔を見つける。
読了 35分