序章 零下三十度の最前線と、呼気の結晶
大韓民国の首都ソウルの眩いネオンから北東へ車を走らせること三時間、険しい太白(テベク)山脈の背骨を越えて江原道(カンウォンド)楊口(ヤング)郡へと至ると、文明の喧騒は軍用トラックの轍と、見渡す限りの赤茶けた花崗岩の岩肌の中へと掻き消えていく。
朝鮮戦争における激戦地として知られ、擂鉢状のすり鉢地形から米軍によって「パンチボウル(亥安盆地)」と名付けられたその盆地の北端には、朝鮮半島を南北に両断する軍事境界線(MDL)と、それを取り囲む南方限界線の鉄条網が、幾重にも重なる冬枯れの尾根を縫うようにして東西へと走っている。
真冬の楊口の山頂における夜警は、人間という温血動物に対する自然の暴力そのものである。
シベリア高気圧から吹き下ろす猛烈な寒風が、稜線に張り巡らされた三重の原形鉄条網を切り裂き、ヒューヒューと金切り声を上げる。気温計の赤いアルコール柱は零下二十五度から三十度へと急降下し、まつ毛と眉毛には呼気が瞬時に凍りついて針のような樹氷を形成する。
防寒覆面(バラクラバ)の隙間から吐き出される息は、空気中に触れた瞬間にカチリと音を立てて結晶化し、胸元の防弾チョッキのナイロン地を白く染め上げる。防寒長靴を履いた足指の感覚は警戒開始から三十分で完全に消失し、ただ足元の凍結した塹壕の砂利を踏みしめる骨の軋みだけが、自らがまだ凍死していないことを辛うじて伝えてくる。
韓国には、二十代前半の最も瑞々しい時間をこの極寒の前線警備に捧げた無数の除隊兵(予備役)たちが、骨太で飾り気のない告白を書き残す文化が根付いている。
除隊して何年、何十年が過ぎても、冬が訪れて窓ガラスが凍てつく季節になるたび、彼らの脳裏に鮮烈に蘇る記憶。
氷点下の稜線で遭遇した、あり得ない足音。
赤外線監視カメラ(TOD)のサーマル画面に浮かび上がる、体温を持たない「白い影」。
その膨大な手記の深奥に、二〇一三年の一月、ある二十一師団(白頭山部隊)の元兵士によって投稿された長い記録が存在した。
題名は、「〇八四哨所の旧掩体、繋がっていないTA―312(084초소 구 벙커, 선 끊긴 야전가설전화)」。
それは、断絶した一本の銅線の先から、三十年の時を隔てて夜勤兵の耳元へと注ぎ込まれ続けた、助けを求める掠れた呻き声と、二度と開いてはならない鉄扉の記憶であった。
第一章 亥安盆地(パンチボウル)の尾根と、断線したTA―312
二〇一〇年の十二月、兵役期間の終わりを三ヶ月後に控え、兵長(ピョンジャン)へと昇進していた私——ミンソクは、楊口の北端、標高千メートルを超える急峻な尾根に位置する「〇八四前哨(GOP)」の夜間警戒分隊長を務めていた。
所属は第二十一歩兵師団。冬になれば小便が地面に落ちる前に凍ると称される、全軍で最も過酷な山岳地帯を守備する部隊であった。
その夜の勤務は、午前一時から午前五時までの、いわゆる「丑三つ時」を含む後半番の歩哨任務であった。
私の相棒となったのは、配属されてまだ二ヶ月にも満たない新兵、一等兵のジヌであった。内気で口数の少ないジヌは、防寒具を幾重にも着込んだ小柄な身体を丸め、K2自動小銃の銃床を胸元で抱きしめながら、凍てつく塹壕の階段を私の後について登っていた。
〇八四前哨の主陣地は、稜線の頂上にコンクリートで築かれた頑丈な監視小屋(チョソ)であった。
二重の防弾ガラスで囲まれた監視窓からは、眼下に広がる広大な非武装地帯(DMZ)の暗黒と、遥か北側の山並みに点滅する朝鮮人民軍の監視哨の微かな赤光が見渡せる。
だが、その主陣地から急斜面の木製階段を五十メートルほど下りた、断崖絶壁の窪みの一角に、部隊の中で「旧〇八四補助掩体(ペボンコ)」と呼ばれる、忌まわしい構造物が打ち捨てられていた。
それは、一九七〇年代に建設された、半地下式のコンクリート製機関銃トーチカであった。
周囲は三重の原形鉄条網で厳重に封鎖され、木製の階段の入り口には「立入禁止」とペンキで大書された赤い看板が掲げられていた。
なぜなら、その掩体壕の足元に広がる谷底は、朝鮮戦争当時に敷設されたまま回収不能となった無数の地雷が埋没する「未確認地雷地帯」であり、崖崩れによっていつ崩落してもおかしくない危険地帯に指定されていたからである。
そして、その立ち入りを禁じられた廃掩体の外壁——コンクリートの苔生した壁面に、一台の「野戦電話機」が、雨風に晒されたまま放置されていた。
韓国軍が半世紀にわたって使用し続けている、緑色のプラスチック筐体を持つ手回し発電式電話機——「TA―312」。
本体の右側面に付いた金属製のクランクハンドルを力任せに回すことで、内蔵された磁石発電機(マグネトー)が微弱な交流電流を生み出し、相手方の電話機のベルを物理的に鳴らす、完全な有線式通信機である。
だが、その旧掩体のTA―312の底面から伸びる黒い通信線(ピピソン)は、わずか一メートルほど先で鋭利な刃物によって切断され、銅線の芯が白く凍りついて空中にだらりと垂れ下がっていた。
一九九六年の江陵(カンヌン)潜水艦浸透事件の際、前線の通信網が全面改修された際に見落とされ、撤去すら忘れられた完全な「死んだ電話機」。回路は物理的に切断され、電池室は空っぽのままであった。
「ミンソク兵長、あの電話機……」
監視哨の窓から外を覗いていたジヌが、分厚い防寒ミトンの指先で、崖下の旧掩体を指差した。
「昼間の点検のとき、小隊長が『あの受話器には触るな』って言ってたんですけど、どうしてですか」
「ただのゴミだよ」私は煙草を吸いたい衝動を噛み殺しながら、防寒マスク越しに答えた。
「あんな急斜面の足場が崩れたら、地雷原まで真っ逆さまに転落するからな。安全管理上の理由で近づかせないように脅してるだけさ」
そう言い捨てたものの、私の背筋には、薄い氷の刃を滑り込ませられたような不快な悪寒が張り付いていた。
歴代の先任兵たちから受け継がれてきた、夜の詰め所での囁き声。
——真冬の深夜、猛吹雪の夜になると、あの断線したはずのTA―312の金属ベルが、ひとりでに回転し始める。
——そして、受話器を耳に当てると、電話線の向こうから、激しい銃声とともに「白榴弾を撃て」と叫ぶ男の声が聞こえてくるのだと。
午前三時三分。
空が最も暗く沈み込み、風が奇妙なほどピタリと止んだ。世界からすべての音が消失した、その絶対の凍結の瞬間であった。
ジリリリリ……ジリリ……!
鋭利な金属音が、漆黒の谷底を切り裂いて響き渡った。
第二章 深夜三時の手回しベルと、旧式の報告
心臓が跳ね上がった。反射的に二人で顔を見合わせる。
主陣地の中にある現用のインターホンではない。音は、外から——あの断崖の下、立ち入りを禁じられた旧掩体の暗がりから、冷たい大気を震わせて届いていた。
ジリリリリリリッ! ……ジリリリッ!
乾いた、重い金属ベルの衝突音。それは、何者かが力任せにTA―312の側面のクランクハンドルを、狂ったような速度で回転させている時にしか鳴らない、あの独特の物理的な励磁音であった。
一回、二回、三回。ベルは一定のリズムを保ち、漆黒の非武装地帯に向かって、絶え間なく鳴り響き続けている。
「ひ、兵長……!」
ジヌの顔面から、潮が引くように血の気が失せていた。
「誰かが……誰かが下にいるんですか!? 侵入者ですか!?」
「落ち着け!」
私は自動小銃の安全装置を親指で「単発」へと押し下げ、監視窓のスリットから身を乗り出した。手元の遠隔サーチライトのスイッチを入れ、強力なキセノンビームを崖下の旧掩体へと照射する。
白い光の円が、凍りついた赤煉瓦とコンクリートの壁を照らし出した。誰もいない。三重の原形鉄条網は整然と張られたままであり、新雪の上に足跡の乱れは一つも見当たらない。
だが、その光の輪の真ん中で——。壁に掛けられた緑色の受話器(H―60)が、まるで目に見えない手が触れているかのように、カタカタと微細に震動していたのだ。
そして、その横にある鋼鉄製のクランクハンドルが、キリキリキリ……と音を立てて、空中で「ひとりでに回転」を繰り返していたのである。
ジリリリリッ……!
「トクトク(大隊指揮所)へ報告します!」ジヌが受話器を取ろうとした。
「待て!」私はジヌの腕を強く掴んだ。
軍隊という組織において、未確認の怪異現象をそのまま報告すれば、待っているのは精神鑑定と過酷な懲戒処分だけである。
「ただの短絡(ショート)だ。……寒冷地じゃ、金属の収縮でベルのハンマーが誤作動することがある」
そう口にしながらも、有線コードが切断された電話機がどうやってショートするのか、自らの理屈の破綻を私が一番よく理解していた。
ベルの音が、突如として止んだ。訪れたのは、耳を劈くような完全な静寂であった。
私は胸を撫で下ろそうとした。
だが、次の瞬間、無線機の外部スピーカーではなく、私たちの背後の密閉された監視小屋の壁——かつて旧掩体へと繋がっていた通気管の暗い開口部から、直接、その「声」が漏れ出してきたのだ。
ザザ……ザザザ……。激しいホワイトノイズ。続いて、激しい銃撃音と、遠くで炸裂する迫撃砲弾の轟音。
そして、二十歳前後の若い男の、肺腑を破らんばかりの絶叫が、管の奥から響き渡った。
『……白頭、白頭(ペクトゥ)! こちら〇八四補助! 応答せよ!
敵一個小隊が鉄条網を突破! 繰り返す、敵が鉄条網を突破! ミン二等兵が頸部を被弾!
弾薬が尽きる! 現在位置に白榴弾を要請する! 撃て!
早く撃ち込んでくれッ!』
背筋が凍りついた。男が叫んでいる部隊名、そして符牒。「白頭」とは、確かに我が第二十一師団の愛称であった。
だが、「白榴弾」——すなわち、夜間戦闘において敵の突撃を破砕するために至近距離に撃ち込む照明弾と榴弾の混合射撃は、一九八〇年代初頭の教本改訂に伴って完全に廃止された、前時代の軍事用語であったはずだ。
声は、泣きじゃくるように叫び続けていた。
『小隊長! 見捨てないでください! 寒い……寒いです、足が動きません……! 早く……早く火を……!』
ブツンッ。回線が切断されるような乾いた音が響き、通気管の奥の気配は、再び零下三十度の冷たい静寂へと沈降していった。
第三章 鉄条網の雪渓と、赤いドクロの三角標
「……兵長、行かなきゃ駄目です」
ジヌが震える手で銃を握りしめ、青ざめた唇を開いた。
「あそこに……誰かがいる。倒れているかもしれない。見張りに行かなきゃ……」
「馬鹿を言え!」私は怒声を上げた。「あそこは立ち入り禁止区域だ! 地雷を踏んだら一瞬で足首が消し飛ぶぞ!」
だが、その時、主陣地の有線電話がジリリと鳴った。本部の小隊長からの定時報告の催促であった。
受話器を取った私は、喉の奥まで出かかった怪異の報告を、必死の思いで飲み込んだ。
「……はい、〇八四番、異常ありません。……ええ、境界フェンスの異常なし。異常ありません」
虚偽の報告。もしあの旧掩体で本当に何かが起きており、北からの浸透があったとすれば、私は軍法会議で銃殺を免れない。
受話器を置いた私の手は、寒さとは無関係に小刻みに震えていた。
「ジヌ、安全ピンを抜け。実包を装填する」
私は弾薬帯から三十発入りの弾倉を抜き、K2小銃へと叩き込んだ。遊底を引くと、チャキンッという乾いた金属音が夜の空気に響いた。
「俺が前を歩く。お前は五歩後ろから銃を構えてついてこい。俺の足跡以外、絶対に一歩も踏み外すな」
私たちは主陣地の頑丈な防弾扉を開け、凍結した外の塹壕へと踏み出した。吹き荒れる横殴りの粉雪が、防弾ゴーグルを一瞬にして白く曇らせる。
立ち入り禁止の赤い看板を潜り抜け、私たちは崖沿いに下る、崩落しかけた古い木製ステップへと足を踏み入れた。
足元は、数十メートルの断崖であった。崖の表面には、長年の雪崩と雨水で露出した、錆びついた鉄条網の残骸と、赤地に白いペンキでドクロが描かれた「地雷(チレ)」の三角標が、風に揺れてカチャカチャと不気味な音を立てていた。
一歩滑落すれば、雪の下に眠る「M14対人地雷(足首地雷)」の餌食となる。私たちは壁の花崗岩に指先を食い込ませ、息を殺しながら、一歩ずつ旧掩体のプラットホームへと下りていった。
掩体の前に辿り着いた瞬間、私の鼻腔を突いたのは、冬の澄み切った大気の匂いではなかった。それは、何十年も前に発射された火薬の硝煙の残り香、そして——凍結した泥と血液が混ざり合ったような、生々しい鉄錆の悪臭であった。
旧掩体の正面ドアは、大人の腕ほどもある太い鉄の鎖によって何重にも巻き立てられ、巨大な南京錠が下ろされていた。錠前は完全に赤錆びており、人間が開閉した痕跡など爪の先ほども見当たらない。
だが、その鉄扉の足元——新雪が降り積もっていたはずのコンクリートの犬走りの上に、私は目撃したのだ。
二本の、引きずられたような「溝」を。
それは、軍靴を履いた人間の両足が、力なく泥の上を引きずられながら、掩体の入り口へと向かって這い進んだ生々しい痕跡であった。そして、その溝の周囲には、黒ずんだ赤褐色の液体が、点々と雪を溶かしながら、凍りついた氷の斑点となって散乱していたのである。
第四章 銃眼の霜指と、一九七九年の防寒服
「……ひっ」
背後でジヌが短い悲鳴を上げ、後ずさりした。懐中電灯のビームが、旧掩体の正面に穿たれた「監視銃眼(スリット)」を捉えた。
幅五十センチ、高さ十五センチほどの、厚さ十センチを超える防弾ガラスが嵌め込まれた細長い覗き窓。そのガラスの内側は、完全な暗黒であった。
だが、光を当てた瞬間、その分厚いガラスの表面に、内側から、ビキビキと白い亀裂のようなものが走り始めたのだ。
氷であった。室内の強烈な冷気が、ガラスの表面の湿気を一瞬にして凍結させ、幾何学的な霜の結晶を網の目のように増殖させていく。そして、その白い霜の向こう側から——。
ペタリ。
音がした。ガラスの内側の中央に、真っ黒に汚れた「人間の手のひら」が、力任せに押し当てられたのだ。
五本の指は、凍傷によって皮膚が裂け、爪の間には泥炭が詰まっていた。手のひらは、外の光を求めてもがくように、ガラスの表面をズリズリと下へと滑り落ちていく。
続いて、もう片方の手が現れ、二つの手形が、防弾ガラスの内側を狂ったように引っ掻き始めた。ガリガリガリ……ギギギギッ! 爪が防弾ガラスを削る、耳を劈くような高周波の摩擦音。
そして、その二つの手形の隙間から、暗黒の奥底から浮上するようにして、一人の兵士の「顔面」が、ガラスに額を押し付けてきたのである。
息が止まり、銃を取り落としそうになった。人間ではなかった。いや、かつて人間であったものの、変わり果てた骸であった。
頭部には、現在韓国軍が使用しているケブラー製のフリッツヘルメットではなく、朝鮮戦争からベトナム戦争期に使用されていた、重厚な鉄製の「M1ヘルメット(鉄帽)」を被っていた。鉄帽の表面には、擦り切れた黄ばんだ階級章——二本の横棒、すなわち「一等兵」の階級が描かれている。
着用している戦闘服は、現在の迷彩服ではなく、一九七〇年代まで採用されていた、無地のくすんだ「国防色(オリーブドラブ)」の旧式戦闘服であった。綿の飛び出した薄い防寒ジャンパーの襟元は、吹き出した鮮血によって赤黒く染まり、その首の右側には、砲弾の破片によって肉を抉り取られた巨大な創口が、凍りついたまま黒々と口を開けていた。
だが、何よりも戦慄すべきは、その兵士の「両目」であった。
眼球孔の奥には、光を宿した瞳など存在しなかった。極度の冷気によって硝子体が完全に凍結し、真っ白に白濁した二つの球体が、ガラスの向こう側から、私とジヌの顔を、至近距離で凝視していたのだ。死者の開かれた口腔から、音のない呼気が吐き出されるたび、防弾ガラスの内側が真っ白に曇る。
兵士の唇が、痙攣するように動いた。声は聞こえない。だが、その唇の動きは、先ほど通気管から響いてきたあの言葉を、寸分の狂いもなく繰り返していた。
『……撃て…… 敵が……来る…… 陣地を……守れ…… 僕を……ここに……置いていかないでくれ……!』
「うわああああっ!!」
ジヌがパニックを起こし、雪の上に尻餅をついた。その拍子に、ジヌの足が崖の縁の砂利を崩し、バラバラと小石が地雷原の暗黒へと落下していった。
兵士の白濁した眼球が、ギロリとジヌの足元へと焦点を合わせた。死んだ兵士の右腕が、防弾ガラスの奥から、まるで空間の歪みをすり抜けるかのように、コンクリートの壁を突き破って外へと伸ばされた。
凍てついた指先が、ジヌの防寒長靴の足首へと伸びる。
「撃つな、ジヌッ!」
私は叫びながら飛び込み、ジヌの防弾ベストの肩紐を掴んで力任せに引きずり倒した。死者の指先が、ジヌのズボンの裾をかすめた。触れた箇所のナイロン生地が、まるで液体窒素を浴びせられたかのように、一瞬にしてパリパリと白く凍結し、ガラスのように粉々に砕け散った。
「走れ! 登れッ!!」
私はジヌの背中を押し、急な木製階段へと転がり込んだ。背後から、旧掩体の鉄扉の内側を、無数の拳が狂ったようにドンドンと叩きつける激しい打撃音が追いすがる。
ドスンッ! ドスンッ! コンクリートが割れるような衝撃。私たちは一度も振り返ることなく、這うようにして階段を駆け上がり、主陣地の防弾扉へと飛び込んで、内側から重い鉄の閂を叩き落としたのである。
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