078

ヨーロッパ
ロシア・コミ共和国、ウシンスク発ハリャガ行きの冬道
凍れる轍
極寒の冬道(ジムニク)で燃料が凍結し立ち往生したトラック運転手アレクセイは、助手席の窓を外から叩く音に気づく。氷の向こうに現れたのは、何十年も前にこの地で命を落とした者の、熱を求める指先だった。
読了 24分
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078

ロシア・コミ共和国、ウシンスク発ハリャガ行きの冬道
極寒の冬道(ジムニク)で燃料が凍結し立ち往生したトラック運転手アレクセイは、助手席の窓を外から叩く音に気づく。氷の向こうに現れたのは、何十年も前にこの地で命を落とした者の、熱を求める指先だった。
読了 24分
055

ロシア・マガダン州、連邦道路R504コルイマ街道
マガダンの燃料輸送トラック運転手アレクセイは、古参の相棒スラヴァとともに、零下五十度を超えるコルイマ街道を走行中、廃墟の炭鉱都市カドイクチャンの分岐点でエンジントラブルに見舞われる。動けなくなった車の周囲に、かつて道路建設に使役され凍土に消えた囚人たちの影が群がり始め、二人は燃料タンクの外壁に刻まれていく無数の凍りついた手形とともに、骨の道の記憶と対峙することになる。
読了 21分
052

ロシア・コミ共和国、ペチョラ川上流域
森林技術大学の学生イリヤは、冬季監視員として老犬ブーランとともにペチョラ川上流の孤立した冬営小屋に赴任する。猛吹雪の夜、敷地の蒸気風呂に灯る青白い光、死んだ妹の声で戸を叩く何か、そして解体されたブーランの亡骸——それは、冬の眠りに入る前に生贄を求めて山を下りてくる「森の主」であった。
読了 25分