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「インドネシア」の異聞

このキーワードを含む記録が3篇あります。

063

アジア

インドネシア・中部ジャワ州、旧オランダ領製糖工場

四号煮沸罐の底から

工業高校生のワヒュは、中部ジャワの古い製糖工場で夜間保守点検の実習に就く。四十年選手の主任機関士ジョコに『四号煮沸罐に近づくな』と釘を刺されたある夜、停止しているはずのタンクの圧力計が跳ね上がり、密閉されたはずの内部から爪で鉄板を掻く音と白濁した眼球が現れる。圧搾ローラーは血に染まり、点検通路には唇を針金で縫われた労働者たちの幻影と、白服のオランダ人総督の影が立つ。ワヒュとジョコは、一九三一年の世界恐慌期に埋もれた工場の暗い記録と向き合うことになる。

読了 24分

051

アジア

インドネシア・中部ジャワ州、ムラピ山麓

屍衣の結び目

学費に困った大学生バユは、火曜クリウォンの夜に急死した処女の墓を七日間見張る日雇いを引き受ける。屍衣の紐(タリ・ポチョン)を狙う墓泥棒と、地面から浮遊して迫るポチョンの怪異。その眼窩の奥にあったのは呪詛ではなく、頭頂部と首の結び目を解いてほしいと懇願する、亡き娘の哀切な声であった。

読了 23分

038

中国

中国・湖北省荊州(長江中流域)、インドネシア・アチェ州沖

濁流の角

深圳・南澳のイカ釣り船で嵐に足止めされた語り手は、江蘇省洪沢湖出身という初老の男と乗り合わせる。八歳の夏、水怪に命を救われたという男は、私財を投じて水怪伝承を蒐集し、一九九八年の長江大洪水の現場でその正体に再会する。

読了 25分